この記事では「家賃の10倍は売れる場所を見つけよう!」という内容です。
なぜ家賃の10倍必要なのか?ということを詳しく解説しています。
家賃と売り上げの比率の関係を必ず知っておいてください。
もしこの記事の内容を知らないと
せっかくのお店も最悪の場合、
閉店することになるかもしれません。

パン屋を経営して12年の経験を生かして解説します。
この記事を読めば「家賃の10倍は売れるところ」でお店を出すことの重要性がわかります。
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お店を出店する場所は家賃の10倍売れるところを見つけよう!
飲食店を開業する際に必要となる「家賃」。
売上に対する「家賃」の比率を「家賃比率」と言いますが、この家賃比率を「10%以下」もしくは「10%前後」に抑えようというのが一般的に言われています。
特に「初めてお店を開店する」のであれば、やはり10%に抑えておくべきです。
つまり家賃の10倍は売れる場所を探さなくてはいけません。
健全な経営のためのFLR比率とは

「FLR比率」というのがあります。
- Food:食材費
- Labor:人件費
- Rent:家賃
を表していて
健全な経営をするには
『FLで60%以内に』
『FLRは70%以内に』
と言われているため、おおよそ家賃は「10%前後」が一般的指標となります。
家賃比率は売上次第で上下します!
当たり前ですが売上次第で「家賃比率は常に変わります」
一般的に家賃比率を考えるタイミングというのは、「開業時のシミュレーション」でしょう。
たとえば「売上目標200万円」として考えたとき、家賃は売り上げの10%の20万円以内であれば大体OKです。
ですがいざ開店してみて売上が160万円だった場合、
家賃20万円÷売上160万円=家賃比率12.5%
家賃比率は12.5%まで上昇してしまいます。
もちろん目標の倍である400万円の売上があれば、
家賃20万円÷売上400万円=家賃比率5%
家賃比率は5%になります。
そのため開業後に地獄に陥ることのない様に
まずはしっかりとシミュレーションしていきましょう。
家賃+経費VS売上のいろいろなシミュレーション

●人件費+家賃+光熱費+その他費用はほぼ固定されますから
もともと200万円想定なら
想定売上200万円×(人件費30%+家賃10%+光熱費10%+その他費用10%)=120万円
これがほぼ固定の一か月の経費120万円になります。
想定売上200万円×原価30%=原価60万円
想定売上200万円-原価60万円-固定費120万円=利益20万円
これがとりあえずの目標となります。
??人件費は固定費ですか??って疑問が出ると思います。
お店が忙しかろうが、ヒマだろうがお願いした以上
アルバイトさんは来てくれてます。
「ヒマだから帰って」なんて連発したらきっと辞めてしまいます。
だから最初は固定費で見ておくといいです。
いずれお店が軌道にのってきたら
売り上げの予測の精度も上がってきます。
そうするとアルバイトさんの適切な配置もできるようになり、
人件費の調整もできるようになります。
そうしたらアルバイトさんの人件費は変動費で扱えるようになります。
原価30%をかけて48万円。
固定費120万円+原価48万円=168万円!!
ああああもう赤字になっちゃいました。(笑)
固定費120万円はそのままに、
原価30%を想定売上400万円にかけて原価120万円。
原価120万円+固定費120万円を足して経費合計で240万円。
売上400万円から240万円を引いて利益は160万円!!となります。
おお!すごい利益ですね!
想定売上300万円×原価30%=原価90万円
原価90万円+固定費120万円=経費210万円
300万円-210万円=想定利益は90万円!!となります。
実は1.5倍の300万円ならけっこう現実的な数字です。
お店が繁盛しだしたら届く可能性があると思います。
損益分岐点売上高を出してみよう!

●ざっくりですが損益分岐点売上高(これを割ると赤字ライン)は
損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)という公式から
(変動費率は売り上げによって上下する原価で今回は30%と今は見てます)
約171万円=120万円÷(1-30%)
月間売り上げ約171万円、
営業日26日で割って一日約65000円が損益分岐点売上高となります。
これが「赤字ライン」死守するべき売上です。
つまり客単価1000円なら一日65人、
昼と夜のピークに各33人くらいの来店があればクリアとなります。
実際は売り上げにつられて人件費やその他の費用も上がりますが
ざっくり計算するとこんなもんでしょう。
●正直言って「机上の空論」ではありますがある程度の予測は必要です。
家賃を含む固定費の存在から
損益分岐点の売り上げを割るととんでもないことになり、
逆に損益分岐点の売り上げを超えると
売れば売るほど利益が積みあがるのもわかっていただけたと思います。
家賃の10倍売れる場所を探すのは大事なことだとわかっていただけたでしょうか?
●もちろん売り上げはテイクアウトやネット販売なんてのもあるし、
人件費であるアルバイトさんのところを家族に任せて、
助けてほしいときに必要なだけ働いてもらうなんてこともできます。
(家族はたまったものではないですが‥)
あまりお勧めしませんが、
材料費をケチって原価を下げることもできます。
これらのことはまた別の記事で考えましょう。
さらに想定売上を日ごと、時間ごとの目標に落とし込んでみます。

●シミュレーションとして週一日休みの「月26日営業」の飲食店で
「売上200万円」を目指す前提で、日ごと・時間ごとの目標に落とし込んでみます。
- 一日の売上目標:77000円
- 客単価1000円の場合:77人/日
- 営業時間10時間の場合:7.7人/時
1日77人前、1時間につき7.7人前を売ることが出来れば目標クリア。
実際はランチ時間と夜の時間の2回のピークを考えなければなりません。
各ピークで40人前後をこなせれば目標クリア!となりますね。
これを毎日クリアします。簡単でしょうか?
普通のお店だとピーク時間は大体2回転がせいぜいです。
つまりお店の収容人数は20人以上。
4人掛けテーブル席2~3セット、
カウンター席10~15席くらい。
駐車場は10台分はくらいほしいでしょうか。
こういうイメージをしていくと案外大きなお店になっちゃいますね!
店員さんも店主のあなた一人では回せませんね。
アルバイトさん2人くらいは欲しいところです。
つまり休み交代も考えると採用人数3~4人くらいかな?
自分なら大丈夫・・・・じゃないことが多いんです。
●多くの方はこのシミュレーションが甘くなります。
かなり自分に都合よくシミュレーションしてしまいます。
皆さんは「自分は大丈夫!」と必ず思ってしまいます。
私もそうでした(笑)
●それにいつも一定の天気や気温ってわけにはいきません。
雨や雪の日には青ざめるくらい誰も来ない日もあります。
それを裏付けるように
「1年で30%、2年で50%、10年で90%の個人経営の飲食店が潰れてしまう」
というデータがある通り廃業率の高さに表れているのです。
ライバル店をたくさん偵察してみましょう!

●あなたが出店しようと思う場所において、
あなたが考えているものと「同じ」もしくは「似たような飲食ジャンル」で、
客単価を調整して「理想の客足」を計算してみましょう。
実際に理想のお店に似ているお店をどんどん調査してみることをおススメします。
案外修羅場が見れます(笑)
「自分はこの状況をうまくこなせるだろうか??」
「ここはマネさせてもらおう!」
などなどお店の外に出てからどんどんメモをしていくといいですよ。
(店内でやると不審者orライバル店の偵察を疑われます)

店内でおかしな動きをしていると、店主に気づかれることもあります。
気をつけましょう(経験者・談)
お客さんの動線、店員の動線も考えながら見るのも大事ですね。
人気のお店は屋号の付け方や看板の出し方も上手です。
そこも要チェックです!
(例外)家賃が高くても大丈夫なパターン
●ここまで「家賃は売り上げの10%」とみてきましたが、
実は人気が出てきて2号店を出す時には事情が違ってきます。
「家賃は売り上げの10%」というのは初めての店舗で
潰れないための考え方の側面が強いんです。
始めから大きく売り上げが見込める場合、
家賃比率の見込みがある程度高くても大丈夫なんですよ。
まとめ


いかがでしたか?
お店の立地はかなり大事です。
もちろん家賃とみあっていないといけません。
物件を探す時には「この場所で家賃の10倍売れそうか?」とよく考えてくださいね。
そのうえで健全な経営のためのFLR比率の
・Food:食材費 30%
・Labor:人件費 30%
・Rent:家賃 10%
これらを意識します。
そのあとに日ごと、時間帯ごとの売り上げ目標を出していきます。
大事な「赤字ラインの売り上げ」を把握してください。
自分なら大丈夫・・・・じゃないことが多いんです。
よーくシュミレーションしてくださいね。
「自分ならどうするか?この仕事量をこなせるか?」考えながら、よく似た境遇のライバル店をたくさん偵察してください。
とりあえず家賃の10倍は売れないと利益は出にくいので、物件の選定はしっかり考えて取り組んでください。

勉強になりました。
お店がオープンしてからは「赤字ラインの売り上げ」を絶対に割らないように気をつけます。
いろんな物件を見てみてもどれも魅力があって決めきれないなあ。。
何かいい基準があるといいんだけれど…。