
「原価率を下げたい」ということは、「売り上げは変わらずに粗利益を増やしたい」ってことですね!
この記事の後半では「粗利を増やす」ことを枝豆のメニューを使って考えてみます。

寿司屋の娘として10年間、パン屋として約15年間働いた経験をもとに解説します。
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居酒屋店主さんの悩み


売り上げはそこそこあるんだけど、なかなか利益が出なくて困ってるんです。
メロンちゃん、なんかいい方法はないかな?

ここの料理は安くてうまい!が人気の秘訣だから、メインのメニューはいじらないほうがいいと思う。
手を入れるなら「サイドメニュー」がいいですね。

サイドメニューかぁ。。
うちにはもともと「枝豆」や「フライドポテト」なんかはあるからなぁ。
どうしたらいいかな?
提供スピードが遅いのは出来ないから、簡単なのがいいなぁ。

じゃあその「枝豆」をいじってみましょう!
今のメニューに少しプラスして、さらに売り上げや利益が取れそうなものを考えてみます!
原価率を下げる方法


そもそもの原価率を下げる方法を書き出してみます。
できれば「お客さんの満足度」は維持したいですよね。
〇仕入れを見直して、仕入れ値を下げる。
- 大量仕入れによって、値段を安くする。
- 業者に値下げ交渉してみる。
- 業者に「即現金払い」による値引きを交渉する。
- 仕入れ先を変えてみる。
- 同じ役割ができる、別の食材に変えてみる。
- ロスが出にくいように、在庫管理をしっかりやる。
- こっそり商品の品質を落としてみる。

こっそり品質を落とすのはやめたほうがいいです。
同じ商品で複数回品質を落とすと、最初と比べるとものすごい劣化していることが多いです。
店主は気にならなくても、お客さんはけっこう気づいています。
気をつけましょう。

最近よくある「産地偽装」もやっちゃダメです。
見つかったら・・・お店が大惨事になります。
〇商品やメニューを見直して、原価を下げる。
- 提供商品の量を減らす。
- 利益の高い商品を開発する。
- 売価を見直す。
- セットメニュー、おすすめメニューなどで、利益の高いものを抱き合わせで売る。
- ドリンクバーや飲み放題を導入するなどして、ドリンクでお金を使ってもらう。

やみくもに「商品の量を減らす」、「売価を上げる」をすると大変なことになります。
見せ方を工夫しましょう。

ちょっとわかりにくいですが、最近この画像のように「上げ底」の容器が増えましたね。
ほんの少しごはんを減らすために、こんな工夫がされています。

でも食べただんなさんは「こんなみみっちいことしてんじゃねえ」と怒ってました。
器がデコボコしてご飯も食べにくいそうです。
悪い例ですね。

よい例として
- 「今だけいい材料を使っているから、少し高い」とアピール。
- サイズを減らして、「10種類の中から3種類選べるメニュー」。
- 盛り付けを工夫して、量を減らす。
- 「ドリンクのおかわりが半額」
- ランチセットに低原価メニューやドリンクを入れる。
- 「セットを頼まれたお客様はドリンクバー○○円引き」。
- 安い材料をどっさり盛って、お値打ち感を出しつつ原価を下げる。
- サラダバーの導入。
など、お客さんにわかりにくいようにしましょう。
〇売り方を考える

少しむずかしいですが、お客さんをよく見てタイミングよく、声かけをするのも有効です。
「ドリンクのおかわりいかがですか?」
「この料理にはこのお酒が合いますよ♪」
お酒を注文されたら、「ご一緒にスピードメニューの(メニューを見せながら)はいかがですか?」
「今日だけ、いいネタが入ってるんですよ!」

高級店だと「お酒とおつまみのセット」のメニューもあります。
「時期のもの」「レアもののお酒」などが、少しづついくつかのセットだと魅力がありますね!

「クーポン」を使った値引きを連発しているなら、思い切って見直すのも大事です。
枝豆で原価率を下げる(粗利を増やす)方法


「仕入れを見直して原価を下げる方法」は上のところで書いた通りです。

ここでは枝豆で「かんたん」「すぐできる」「売上UPが狙える」「トータルの原価率を下げられる」ものを紹介します。
原価率は30%を基本として、それより低いものを投入していけば、原価率は下げられます。
各レシピで「得られる粗利」にも注目してみてください。
実はそちらのほうが大事なんです。
誰でも作れるか?調べるために、うちの娘(小学生)に作ってもらいました。
材料
〇今回使用したもの 和歌山産枝豆 房をのぞいて200グラム 300円 1.5円/1グラム
(和歌山産だと原価が一人前150円で、売りにくいので今回は計算しません。)
〇お店で使うなら 業務スーパー 冷凍枝豆 500グラム 138円 0.28円/1グラム
塩ゆで枝豆の調理法

作り方
①水1リットルに対して塩大さじ1を入れて沸かします。
②お湯が沸くまでに、枝豆の先端部分をハサミで切り落とします。

③枝豆をさっと水洗いして、塩大さじ1をまぶしてもみこみます。
④お湯が沸いたら、塩が付いたままの枝豆をお湯に入れて茹でます。

⑤箸で時々混ぜながら4~5分茹でます。一つ取り出して食べてみて、好みの硬さになっていればOKです。
⑥ざるにあけて完成です。


この塩ゆで枝豆一人前100グラムを、300円で売っている設定で次からのメニューと比べていきます。
業務スーパーの枝豆で原価を計算すると、一人前28円ですね。
原価率9.3%です(28円 ÷ 300円)。
粗利は272円。
枝豆のニンニクしょうゆ漬け

作り方(3人前)
①上の塩ゆで枝豆300グラムを作る。
②お鍋に酒、みりん各大さじ1、刻んだにんにくひとかけ、とうがらし1本、しょうゆ大さじ2を合わせ、ひと煮立ちさせる。
(我が家では小学生も食べるので、唐辛子や鷹の爪は入れません)
③出来上がった塩ゆで枝豆を、②のお鍋に入れて漬け込む。
④しばらくしたら出来上がりです。翌日のほうがよく漬かっておいしいです。

枝豆のニンニクしょうゆ漬けは、一人前100グラムで売価が380円から450円くらいでしょうか?
ニンニクがひとかけ20円くらいで、あとは調味液だけなのでほとんど原価もかかりません。+25円とします。
枝豆100グラム(28円) + 調味液(25円) ÷ 売価(380円)
で原価率13.9%でした。
粗利は327円でした。

枝豆を漬け込んでおくだけなので、とても簡単です。
うちの旦那さんがあっという間に完食してしまいました。
「めちゃくちゃビールに合う!」だそうです(笑)
枝豆のカリカリチーズ焼き

作り方(2人前)
①上の塩ゆで枝豆を作る。
②スライスチーズをフライパンに4枚ひき、枝豆100グラムをのせる。


画像ではチーズが8枚ものってます。
子供がチーズ大好きで(汗)
レシピでは4枚です。

③中火で10分ほど、チーズが溶けてカリカリになるまで焼きます。

④焼きあがったら4つにカットして、お皿に盛りつけて出来上がりです。

枝豆のカリカリチーズ焼きは、2人前で580円くらいでしょうか?
もうちょっと高くてもいけるかな?
枝豆が100グラムで28円。
スライスチーズが8枚入り160円くらいだったので、4枚使って80円。
枝豆100グラム(28円) + チーズ4枚(80円) ÷ 売価(580円)
で原価率18.6%。
粗利は472円でした。
フライパンにセットして、タイマーをセットしておくだけなのでカンタンですね!

使うチーズをいろいろ変えると、味変ができます。
さらにアピールと単価UPができそうですね。
トッピングにブラックペッパーがおススメです。
枝豆のよだれどり風(1人前)

作り方
①上の塩ゆで枝豆100グラムを作る。
②すりおろしにんにく、すりおろししょうが各小さじ1杯、しょうゆ大さじ1杯、酢、砂糖各大さじ半分を混ぜ合わせる。
③枝豆と花椒(ホール)小さじ1杯を加えて和えて器に盛る。
④ラー油とパクチーをのせて完成です。

枝豆のよだれどり風は380円くらいでしょうか?
枝豆が100グラムで28円。
そのほかの調味料などが合わせて30円くらい。
枝豆100グラム(28円) + 調味料など(30円) ÷ 売価(380円)
で原価率15.2%。
粗利は322円でした。
調味料を合わせるだけなのでこれも簡単ですね!
枝豆のガーリック焼(1人前)

作り方
①上の塩ゆで枝豆100グラムを作る。
②ニンニクのみじん切り2かけ分を、オリーブオイル少々でじっくり加熱して、油にニンニクの風味を移す。
③①の枝豆を投入してさっと炒めて、お皿に盛って完成です。

枝豆のガーリック焼は380円くらいでしょうか?
枝豆が100グラムで28円。
ニンニクがふたかけで40円くらい。
枝豆100グラム(28円) + ニンニクがふたかけ(40円) ÷ 売価(380円)
で原価率17.8%。
粗利は312円でした。
これもさっと炒めるだけなのでカンタンですね。
実は我が家の定番おかずです。
鷹の爪も入れてペペロンチーノ風もいいですね!
飲食店の原価率を下げて粗利を増やすやり方・考え方① えだ豆編 まとめ


この記事では居酒屋を例に出して「飲食店で原価率を下げる方法」を書きました。
〇仕入れを見直して、仕入れ値を下げる。
〇商品やメニューを見直して、原価を下げる。
〇売り方を考える。
原価率は30%を基本として、それより低いものを投入していけば、原価率は下げられます。
サイドメニューの枝豆だけでも、低い原価率で魅力的なカンタン商品はできてしまいます。
うちの娘に作ってもらいましたが、「簡単に作れて、おいしかった」だそうです。

それぞれのメニューの粗利にも注目してください。
塩ゆで枝豆一人前 272円
枝豆のニンニクしょうゆ漬け一人前 327円
枝豆のカリカリチーズ焼き二人前 472円
枝豆のよだれどり風一人前 322円
枝豆のガーリック焼一人前 312円

店主さんは「粗利を増やしたい」が本当の望みでしょう。
枝豆にたったひと手間加えるだけで、大きく粗利が増えていますね。
メニューのバリエーションとしてもいいですし、できる範囲で取り入れてみてはどうでしょうか?

うわーこれならすぐにお店で使えそうだ!
メロンちゃん、ありがとう。

はーい。どういたしまして。
次の記事ではほかのメニューを紹介しますね!

(注意)時期によって仕入れ値が変わります。今回のような結果に必ずなるとは限りません。ご自身でちゃんと計算してから、メニューを考えてください。
この記事では居酒屋を例に出して「飲食店で原価率を下げる方法」を書いています。
「なかなか原価率を下げられなくて困っている」店主さんにおすすめの記事です。